コンテンツ教育学会設立を受けて、アニメーション監督の神山健治様より、応援メッセージをいただきました。
コンテンツ教育学会の設立、おめでとうございます。
日本のアニメーションが世界から注目されるようになってから、もうずいぶん経ちます。今はとてもいい時代になったなと思います。
僕がアニメーションを仕事にしようと志した30年前は、まだアニメーションというジャンルの社会的地位はとても低く、仕事の内容を理解してもらうのはおろか、テレビで放映している作品に携わっていたとしても、あまり褒められるようなことはなかったと記憶しています。ですが、多くの先達たちの功績により、今ではどこに行っても、アニメーションの仕事に携わっていることを憧憬の目で見てもらえるようになりましたし、毎年多くの若きクリエイターがアニメーション業界に入ってきてくれるようになりました。とてもありがたいことだと思っています。
ですが、不遇の時代を経験している者として、一つだけ皆さんに伝えたいことがあります。これからこの業界の未来を担っていく皆さんには、是非とも、アニメーション業界の華やかな部分だけを見るのではなく、コツコツと日々の作業を積み重ね、責任感を持って自身の役割を全うしていくという自覚を強く持ってほしいのです。アニメーションはそうした地味な作業の集積によって成立している仕事なのです。
そこで、アニメーション業界などを志す人材教育の集積地であるコンテンツ教育学会には多くの期待を持っています。産業界との交流も必要不可欠です。ぜひ、この学会が広い意味でコンテンツ教育の礎になる事を願いここに応援いたします。
---------------------------------------
アニメーション監督 神山健治
<プロフィール>
背景美術スタッフとしてキャリアをスタート。『攻殻機動隊 S.A.C.』で監督とシリーズ構成を兼任した。
続いて『精霊の守り人』でも再び監督とシリーズ構成を兼任。オリジナルTVシリーズ『東のエデン』では
原作も務め、『009 RE:CYBORG』においては初のフル3D劇場作品を監督した。
2017年3月に公開予定の最新作『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』では原作・脚本・監督を務める。